とある彼女のじれじれ彼氏
センセの匂いがうちを包み込んで、まるで彼女のように錯覚する。
「…私に言わせるんですか?」
「聞きたいんや」
「好きだからですよ」
「か、彼女がいるやんか!」
うちがそう言うと、センセはため息をついてさらにぎゅうぅと締めてくる。
「南は私の従姉妹ですよ」
「従姉妹?」
「えぇ、あの日も南に付き合わされてしまって、逃げられなくて仕方なく有紗とのデートが遅れてしまいました」
「…だって意味分かるでしょ?って言われた」
「はぁ…南は悪戯好きですからねぇ?困ったものです」