とある彼女のじれじれ彼氏


センセは深く息を吐くと、うちを白衣から出した。


 「だから有紗の誤解って言ったでしょ?」

 「…」

 「有紗、私と付き合いません?」

 「いやや」

 「なんで、後悔はさせませんよ?」

 「だってうちとセンセは水と油やから、ケンカばかりやと思う」

 「ケンカ?上等ですね、勝手に怒る有紗も可愛いですから」

 「なっ!」



センセは満足げに顔を緩めるとうちの手を取った。


 「おとぎ話のようにウサギとアリスはずっと一緒です」

 「ちょっと違うような…」

 「私たち用にリメイクバージョンです」




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