とある彼女のじれじれ彼氏


 「なんでうちが怒るんや、センセとはなんにもなかったんやし」

 「有紗はなにか誤解を南は…」



センセはまたうちに近づくと手を伸ばした。

うちはセンセの手を払うとピアノから離れるように、センセからも離れた。


 「誤解?なんのや、センセはうちの誤解を解いてなにがしたいんや」

 「有紗と付き合いたい」

 「…冗談もほどほどにしとき」


うちはセンセがなにか言おうと口が動くまえに教室ん出た。


センセはことあるごとにあの日の誤解とやらを解きたいらしい。


別に誤解なんかしてない、だってセンセがここに来てからも、多分電話の女の人が会いに来ていた。

だから彼女なんやろ?


うちをからかっただけなんやろ?

だったら誤解なんか解く必要はないやろ。




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