あなたのいのち
先生の言った病院は
ナツの家から近かった。
息をきらして病院に入る。
自動ドアが開くのが
妙にゆっくりに思えた。
「坂田…坂田コウ君の病室は
どこですか?」
看護婦の人が病室の前まで
連れていってくれた。
ドアを開ける手が震えた。
勢いでここまで
きてしまったが、
坂田は何と思うだろう。
そんなことまで
考えていなかった。
一度深呼吸をして
ドアを開けることを決意した。
その瞬間、ドアが開いた。
「え…」