あなたのいのち
ふ た り
それからナツは
毎日コウのお見舞いに行った。
そんなある日―
いつものように
ナツは病院へ行った。
コンコン。
扉をノックした。
「はい」
女の人の声がした。
扉を開けたのは、
ショートカットの髪の女の人。
目元がコウにそっくりだ。
コウのお母さんだ。
「どちら様?」
「あ、えっと…」
あまりにも突然に会ったので、驚いて言葉が詰まってしまった。
「俺の大事な友達。」
コウが代わりに答えた。
大事な、という一言が
たまらなく嬉しかった。
ただ、きっと、いつまでも
友達なんだと思うと悲しくなった。
どんどん欲張りになっていく。