あなたのいのち
「あら、お友達。
…びっくりだわ、こんなに可愛い女の子がお友達だなんて。
どうぞ入って。」
コウのお母さんは
笑顔で私を迎えてくれた。
笑顔もコウにそっくり。
「私は席をはずすわね。」
そう言ってコウのお母さんは
病室を出て行った。
2人きりになった。
「どう、調子は?」
「今日はまあまあだね。」
「昨日より顔色いいもん。」
他愛のない会話をしばらくしていた。
「じゃあ、今日はもう帰るね。」
「もう?」
「今日、帰りに買い物行きたいからさ。
それに今日はお母さんもいるじゃない。」
「…うん。気をつけてね。
ごめんな、送ってやれなくて。」
「いいの!治ったら送ってよね。」
コウが一瞬寂しそうな顔をした。
そんなことも嬉しいんだけれど。
「じゃあね。」
ナツは病室を出た。