あなたのいのち
翌日―――
空席はまだ空席のままだった。
次の日も、その次の日も
坂田 コウは学校にこない。
皆そう思い始めていた。
誰も空席を意識したりしない。
そんなある日
ナツは一人教室に残って
週番の仕事をしていた。
隣の席の坂田と週番なのだが、もちろん坂田はいない。
つまりナツが一人で仕事を
こなさなければならなかった。
「もう…。
坂田君の分も一人でやるの
大変だよ!」
と、一人愚痴をこぼしていた。