君に届け【短編】
一それから、日曜日はなにもする気がおきなくて。
ずっと部屋に閉じ込もってた。
一一一一一一一一一一…
一一一一一一一一一…
「あ、奏枝ーっ!!おはよっ!」
『…おはよ』
姫奈が元気よく、あたしな挨拶をしてきた。
だけど、なんか体がダルくて…。適当な返事を返してしまった。
そんなあたしを心配してか、心菜や優希もあたしのところに来た。
「奏枝?どうしたの?」
「元気ないじゃん」
そんな呼び掛けにも、あたしはあの時のことしか頭になくて。
『…大丈夫だよ』
そう答えるしかなかった。
今日は奇遇にも、生徒会はない。だから、先輩に会うこともない。
…あの土曜日の日。
あの時、目をそらさなければ、こんなに悩むこともなかったんじゃないかな。
体がダルいまま、あたしは授業を受けた。
でも、話なんて耳に入らなくて、先生の話なんて聞いていなかった。
「奏枝、次移動だよ?」
姫奈が心配そうにあたしの顔を覗きこんでくる。
"うん"と返事をし、あたし達は次の授業のため、移動した。