君に届け【短編】
みんながダーッと走って、校舎内を駆け回る。
すごい勢い…
でも、あたしだって負けてられないしっ!!
あたしはあの場所に向かった。…いつも、先輩がいるあの場所へ。
一…屋上
ガチャっとドアを開け、心地よい風が吹く。
あ、いた…
屋上に入って、上を見てみると、亮先輩の姿。
前に大地先輩に、"亮はいつも屋上で寝てる"って聞いたことがあった。
それを思い出して、屋上に来てみたら、やっぱりいた先輩。
ハシゴから上に登り、先輩の横に座った。
「…ん…?」
そんな声が聞こえて、あたしは横を見てみた。
『あ、先輩?起こしちゃいました?』
「…宮下か」
先輩は目を覚まし、あたしを見てそう呟いた。
『先輩、寝てていいんですか?みんな探してますよ?』
「あぁ、別に。見つからねー自信はあったし。ってか、もう見つかったしな」
え…?あ、あたし!?!?見つけたのはいいけど…生徒会役員だし、いいのかな?