君に届け【短編】
 
 
まぁ、あたしもその一人なんだけど。
 
 
って言っても、あたしが告白しない理由はそんなんじゃなくて、ただ…勇気がないから。
 
 
今の先輩後輩の関係を崩したくないから。
 
 
こんなこと考えてるあたしは、馬鹿なのかな。
 
 
でも、あたしなりに考えた答えなの。
 
まだ、告白は…しない。
 
 
 
「…終わったか?」
 
 
「あ、会長。こっちは後、奏枝の計算が終わったら、今日の分の仕事は終わりです」
 
 
「亮は終わったの?」
 
 
そう先輩に聞いたのは、先輩の幼なじみで、副会長の大地先輩。
 
 
「あぁ。俺は終わったけど」
 
 
「相変わらず、早いねー。尊敬するよ」
 
 
「…それは光栄だな」
 
 
こんな感じでいつも、亮先輩と大地先輩は話してる。 
 
あたし達、他の生徒会から見ても、二人は仲がいい。
 
 
「じゃあ、今日の朝はこれで終わり。後は宮下だけだし、俺がいるから、他の奴らは教室行っていいぞ。」
 
 
「分かりました」
 
 
そう言って、先輩たちはカバンを持って、次々と生徒会室を出ていく。
 
 
って…!ちょっと待ってよーっ!!!!!あたしを置いていかないでっ!!
 
 
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