*君 色 模 様*



しばらくすると、



「はい!どうぞー」



「あ、ありがとうございます‥」



おそるおそる出されたコップに手をのばす。



「どうぞーオレ特製だからおいしいよー♪」



あれ?これって‥


「ロイヤルミルクティー‥?」



たっぷりミルクのまろやかな味に、思わず声が出てしまう。




「正解!‥紅茶はミルクティーかなぁと思ってさ!」


「そうなんです!ストレートでも飲むんですけど、やっぱり疲れた時は、ミルクたっぷりが一番‥」



「あはははは!」



彼の笑い声で、はっと我に返る。



はずかしーよー!
熱中して、しゃべっちゃった‥



「ごめんね、つい可愛くて」



くすっと笑いながら、さらっと言われる。




―可愛い?

かぁー!

顔が一気に赤くなっていくのがわかる。



「そ、それより!なんでわたしまで一緒に連れて来られたんですか?」



赤面をごまかすように、

ちょっと、声をあらげて聞く。
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