*君 色 模 様*
カシャン!
何かが床に落ちる音。
ひっくり返った拍子に、彼のかけてた眼鏡が落ちてしまったみたい。
「やべ!」
「大変!」
彼とわたし、同時に叫んで、とっさに手が出る。
「「あっ‥」」
ドラマのワンシーンで、よくあるように、
お互いの手に触れてしまったわたしたちは、
ぱっと手をひっこめる。
なんだか気まずくて、わたしはうつ向いたまま、
動けなくなってしまった。
「くすっ」
沈黙をやぶる、彼の笑い声。
「ドラマのワンシーンみてー!」
ちょっとふざけたように言う彼に、
わたしも、くすっと笑ってしまう。
「ほんと‥」
笑いながら、答えるわたし。
「な!ここから恋が、はじまる~みたいな」
「そうそう!‥‥‥えー!?」
顔をあげたわたし、
思わず大絶叫。