*君 色 模 様*



竹下通りには、ぎゅうぎゅうの人。



人の流れに逆らえなくて、

入ってきちゃったけど

早く出たいなぁ。



「きゃー!」
「うそっ!?」



ざわざわと突然の歓声。



なに?


ぎゅうぎゅうの人の涙が一気に向かってくる。



ちょ!ちょっと、
押さないでよぉ‥



‥だめっ!ころぶっ!



ふわっ。



えっ?



背中に力強い感触。


あれ?転んでない‥



ぎゅっとつぶった目をあけると



男の子のドアップ!



「きゃ!す、すみません!」



「大丈夫?」


そう言いながら、わたしを立たせてくれる。



「は!はい!」



わー!背高いなぁ。


雰囲気もすごくオシャレ。



少し色のついためがねで、顔はよくわからないけど、
きっとかっこいいんだろうなぁ‥



「ケガなかった?」


ぽけーっとしてるわたしに、頭をぽんっとなでて
優しく聞いてくれる。



「は、はい!ぜんぜんっだいじょぶです!」



「そか!よかった」



優しい声と、にこっと笑った口元に、どきっとしてしまう。



「ちょっと何あの子?」

「まさか彼女とか?」



ん?


なんだか、まわりがさっきより騒がしいような‥



「‥やべ!それじゃ、ごめんね!」



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