*君 色 模 様*
並木道を見ながら、
しばらくぼーっとする。
みんなといる時間もすごく好きだけど、
こんなひとりの時間も好き。
みんなに言ったら、きっと嘘でしょって言われちゃうかもだけどね‥
ブルルル。
「!」
ポケットの電話が鳴ってることに気付く。
ん?知らない番号‥
どうしよ?
いつも知らない番号は絶対に出ないわたし。
でも鳴ってる電話を無視するのは落ち着かない‥
どうしよ、どうしよ‥
「あ!」
迷ってるうちに切れちゃった‥
「え!?着信13件?」
さっきの番号からのたくさんの着信。
間違い電話ではなさそう‥
誰か携帯変えたのかな?
ブルルル!
またかかってきた!
よしっ!
勇気を出して通話ボタンを押す。
「は、はい、もしもし‥」
「もしもーし!やっと出てくれた!」
「え!?」
男の人の声?
「だ、だ、ど、ど」
だれですか?
どなたですか?
どもっちゃって、うまく言えない。
「あれ?もしかして誰かわからない?」
電話の主がくすっと笑って、尋ねる。
「‥は、はい‥」