月待ち人
-side-ナル
「ナルくん。おはよー」
けたたましい騒音と共に大声が聞こえ髪をかきむしりながら窓を開けると、ニヤニヤ笑いながらフライパンを手にした少女と目が合った。
「近所迷惑」
溜息まじりに彼女に訴える。
悪びれる素振りも無くニコニコとオレを見る
「…ツキ、母さんに何て言われて買収されたんだ?」
オレの問いにビクッと肩を震わせるとピシャリと窓が締められた。
物につられたんだろうな。
単純な奴
起きてしまったのは仕方無いので身支度をすませて階下に降りて行く。
「おはよ、鳴瀬。やっぱ、お願いして良かったわ」
母さんは嬉しそうにコーヒーを注いでいた。
「…ったく、ツキに何で頼んだの?」
「桜月ちゃんに?」
「鳴瀬の弱味を握れる写真」
笑いながらコーヒーを啜る母に呆れながら腰をおろす。
「息子…生け贄かよ」
目の前におかれた入れたてのコーヒーを口に流しこむとトースターの音が響いて、ほんのりと焦げ目がついたトーストを持ってきてもらった。
「こんなにゆっくり食べたの久しぶり」
香ばしいトーストがオレの食欲に刺激を与えてくれた。
二杯目のコーヒーをのんでいる所で玄関が開いて聞き慣れた足音が近付いてきた。
けたたましい騒音と共に大声が聞こえ髪をかきむしりながら窓を開けると、ニヤニヤ笑いながらフライパンを手にした少女と目が合った。
「近所迷惑」
溜息まじりに彼女に訴える。
悪びれる素振りも無くニコニコとオレを見る
「…ツキ、母さんに何て言われて買収されたんだ?」
オレの問いにビクッと肩を震わせるとピシャリと窓が締められた。
物につられたんだろうな。
単純な奴
起きてしまったのは仕方無いので身支度をすませて階下に降りて行く。
「おはよ、鳴瀬。やっぱ、お願いして良かったわ」
母さんは嬉しそうにコーヒーを注いでいた。
「…ったく、ツキに何で頼んだの?」
「桜月ちゃんに?」
「鳴瀬の弱味を握れる写真」
笑いながらコーヒーを啜る母に呆れながら腰をおろす。
「息子…生け贄かよ」
目の前におかれた入れたてのコーヒーを口に流しこむとトースターの音が響いて、ほんのりと焦げ目がついたトーストを持ってきてもらった。
「こんなにゆっくり食べたの久しぶり」
香ばしいトーストがオレの食欲に刺激を与えてくれた。
二杯目のコーヒーをのんでいる所で玄関が開いて聞き慣れた足音が近付いてきた。