月待ち人
私…やっとわかったよ。
他人に教えてもらうなんてダメダメだよね。
奥出くん…君との記憶が無かったんだね
目を閉じて浮かぶ顔が今なら全部君の顔だよ
ねぇ…今から君に会いにいったらビックリしてくれるかな?
受け入れてくれるかな?
はやる気持ちを抑えて全速力で走った
ピンポーンピンポーン
心地良い音が響いて玄関が開かれた
ニッコリ笑った私と目を丸くしたまま動かない君…
君の事やっと思いだせたよ
また受け入れてくれる?
「ただいま…ナル」
「おかえり…ツキ…」
ナルは微かに声をしぼりだして私を迎え入れてくれた。
もう一回ふたりで記憶を作っていこうね


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