月待ち人
屋上から見た空は雲一つ無いキレイな空だった。



昼間の月も存在を静かに主張していた。

「はぁー」



自然と漏れる大きな溜息

1人の人間にここまで依存するなんて思っても見なかった。




好きだよ…ツキ……

「好きだよ」

オレのたよりない声は空を裂いて消えてしまった。




すっと目を閉じると脳裏に浮かぶのはツキだけで…

オレの初恋はツキで…ツキ以外を好きになる事もたぶん無い。





この関係を壊さない限りオレは変わらないのかな。


気持ち良い風に当たりながらオレは少しずつ意識を手放していった。



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