遺言結婚


『菊池さん』

警察の方が私をよんでる。

『これ』



渡されたのは遺品だった。


一番手前にあったお姉ちゃんのケータイを開くと待ち受け画面には「杏」が映ってた。


杏はお姉ちゃんが20歳の時に産んだ子供だ。



そうだ。杏がいるんだ。わたし泣いてなんかいられない。

「この子は私が責任を持って立派に育てるから」


お姉ちゃんにそう誓った。



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