杏 ~あんず~





そう言い残すと、大翔はあたしを残して、屋上を出て行ってしまった…。


あたしには、大翔の背中を見ることしかできなかった。


引き止めたくても、手も足も動こうとしない…。


もちろん声もでない…。












ごめん玲花…。
ごめん愛梨…。


あたしは2人にも隠してる…。


あたしの本名のこと…。















ごめん莢乃…。


せっかく悪者にまでなってあたしを大翔の彼女だって認めてくれたのに…。















ごめん帆乃香…。
ごめん達也…。


あたしの秘密を共有してくれて……。


帆乃香なんかたくさんあたしにアドバイスくれて……。















ごめんみんな……。














あたしもうダメかも……。









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