杏 ~あんず~
「…いきなりだろ?」
「うん……。」
「だから考えといてほしい。」
「……え?」
「本気じゃなくても…、俺んとこに来い……。利用してもいいから……。」
そして、ギュッと抱きしめられた。
チェンメ事件でズタズタになったあたしの心……。
達也の腕の中がすごく温かくて……。
"杏月大翔"としてのあたしを認めてくれて嬉しかった……。
あたしこのまま……、
達也を利用することになってもいいのかな……?