杏 ~あんず~
~達也side~
いつから杏のこと好きだったんだろう…?
あ…、昔すぎて忘れたな……。
ホントはあいつなんかに渡したくない。
でもあいつが息切らしてまで屋上まで来たときのあいつの目は、本物だった…。
杏もあいつをいつも目で追ってる…。
あーあ…。
ヨリ戻るのか…。
どうせフられるの確実だし。
だったら幼なじみのポジションのほうが何倍もいい。
……初恋だった。
杏と屋上に戻ると、帆乃香と風戸はホントに世間話をしてた。
「あっ、おかえり。……達也、行こ?」
「………そうだな。」
帆乃香の考えてることが、最近になってやっと分かってきた気がする…。
絶対敵にまわしたくねぇな……。