杏 ~あんず~



ー放課後ー


帆乃香と達也には教室で待ってもらって、あたしは屋上に向かった。


これ以上深入りしたくなかったから、あたしはなるべく短時間で話そうとか考えていた。




コツコツコツ……




屋上までの階段をどんどん登る。


ちょっと遅れちゃったかな…?


莢乃いるかな…?
いないと困るけど…。


このドアの向こうに………。







ガチャ












あれ……?


いない……?


「莢乃…?」


いるなら返事して…?


「おーい…莢乃ー?」


どこだろ…?


あの隅のほうかな…?


「莢乃ー?さや……。」










………え……?


嘘……だよね……?


「……っ!!」


……あたしは見てしまったんだ…。












大翔と莢乃のキスシーン……。







< 92 / 257 >

この作品をシェア

pagetop