隣の千代ちゃん
写真にはおじいちゃんとおばあちゃんと牛が写ってた。


「この牛、角がでかいっすね。」


「それは水牛ってゆーやつで食用じゃねーぞ。」


誰も食えるか食えないかを聞いてないんですけど。


「優斗さんの写真、俺好きだな。」


ぽつりと言ったら、優斗さんは口の端をあげた。


「そう言われるとやっぱ嬉しいもんだな。」


照れくさそうに言う優斗さんを奈々さんが見つめてる。


「優斗の写真はあったかいよね。」


優斗さんが奈々さんの頭をぽんぽん叩く。


「奈々と吉岡は俺のファンなのか。」


「ファンかもしれないですね。俺にはこんな写真は撮れないですから。」


俺は人を撮るのはなんだか苦手なのだ。
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