アイドルまっしぐら!!
「あの……」
僕は、里奈じゃないその声の主を確かめようとした。
「……もしかして、『Cute Boys』の山中良介くんですか?」
そう聞いてくるのは、僕の前に立っている、スカートがすごく短い、僕と同い年ぐらいの女の子二人組。
僕は、しまったと思って素早く顔を背けた。
でも、その行動が逆にいけなかったみたいで、女の子たちの声は大きくなるばかり。
……このままじゃ、もっと人が集まってきちゃう。
かと言って、声を出して否定するのは、墓穴を掘ってる気がするし……
「……あの、この人は私の彼氏ですよ?よく似てるって言われるんですけど……」
僕が黙っていると、里奈がそんなことを言ってくれた。
「あっ……ごめんなさい。」
里奈の言葉を聞いて、彼女たちはその場から去っていった。