アイドルまっしぐら!!
でも、俺はどこかで安心していたんだと思う。




良介はアイドル、里奈は一般人。




落ち着いて考えてみれば、いくつも恋愛に対する障害があることに気づくはずだ。




「……ねぇ、光樹。」




「……ん?」




「りょうくんと出逢わせてくれて……ありがとう。」




……不思議な気分だった。



「……別に。ただの偶然だしな。」




「それでも、光樹のおかげに違いはないよ。」





……俺は、行き場がなくなった自分の気持ちを、




どう処理していいかが分からなくなってしまった。




「……里奈、悪いけど帰ってくれるか?これから出かけなくちゃいけない用事があるんだ。」




「あっ、そうなんだ。ごめんね?長居しちゃって。」



「いや、お菓子ありがとう。」




「うん、またね!」





里奈を半ば強引に帰した。


本当は出かける用事なんかない。




ただ、一人になりたかった。
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