アイドルまっしぐら!!
「……光樹?」
少し声が震えている。
「……どうした?」
やっぱり怖くて、里奈とのことは聞けなかった。
「……今から、光樹の家に泊まりに行ってもいいかな?」
「今から……?いいけど……」
「ありがとう!実は……もう家の前にいるんだ。」
「……はぁ?」
俺は慌てて玄関のドアを開けた。
「……こんばんは。」
外には、良介が可愛らしく立っていた。
「……とりあえず入れよ。寒かっただろ?」
「ありがと。」
……俺には分かった。
良介がご機嫌なことが。
「あれ?おばさんたちは?」
「あぁ……父さんは出張、母さんは夕飯食べて、どこかに出かけた。だから、今は俺一人。」
「そっか。急にごめんね?」
「いいよ、今さらそんなこと言う仲じゃないだろ。」
俺がそう言うと、良介はにっこり笑った。