アイドルまっしぐら!!
「やっぱり大きいお風呂はいいね!」




良介は湯船に浸かりながら、満足そうに笑ってる。




「……そうだな。」




たまにしか来れないから、余計に大きい風呂が素敵に感じる。




「……光樹。」




「……ん?」




「……ありがとう。里奈に逢わせてくれて。」




……里奈?




良介が里奈と呼んでいることが気にかかる。




……そして、二人とも俺に同じことを言う。





「……里奈と付き合うことになりました。」




……良介が嬉しそうに口にした言葉は、俺の今までの人生そのものを打ち砕くものだった。





……どうやって返事するのがいいかな?




「……光樹?聞いてる?」




「あ……あぁ。でも、俺に言ったのはどうして?黙ってたほうが……」




「そんなの決まってるじゃん。光樹は僕の一番の親友だからね。こういうことは一番に報告したかったんだ。」





「……そっか。おめでとう!!よかったじゃん!!」




俺は、努めて明るく言った。

< 124 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop