アイドルまっしぐら!!
「……でも、いざアイドルと一般人が付き合うとなると、課題が山積みね。」




「……課題?」




「えぇ。もし世間にバレたら、里奈はたくさん傷つく。もちろん、山中良介も悩むと思う。」




……やっぱり、そうだよねぇ。




「……ねぇ、山中良介はアイドルとしての自分の立場と、里奈が天秤にかけられたとき、どっちを選ぶかしら。」



「私と、アイドルとしての自分の立場……?」




「えぇ。極端な話をすると、里奈を守る方法がアイドルとしての自分を捨てることだけなら、山中良介はできるかってこと。」




……りょうくんがアイドルをやめる?




私のために?




「……私が、りょうくんの負担になるなら、私が傷つくほうがいい。」




私がそう言うと、千里ははぁと大きなため息をついて立ち上がった。




「……そう。でも、私は里奈を傷つけるなら、山中良介でも容赦しないから。」



……千里。




「さぁ、そろそろ戻りましょ?あっ、心配しなくても秘密にするから。」



「……うん。」



……私、千里と友達でよかった。
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