アイドルまっしぐら!!
「もう3月だね!」




「何がそんなに嬉しいのよ?」




「だって、もうすぐホワイトデーだし。」




私は、千里と一緒にいつものようにお昼を食べていた。



「……そうね。ホワイトデーは楽しみ。」




「秀平くんは何をくれるの?」



「さぁ。初めてのホワイトデーだし。」




「それもそっか……。」




「里奈も山中良介とデートなんでしょ?」



「うん……。」




私は、話を振られて声が小さくなっちゃった。




「これくらいで照れないでほしいんだけど。」



「だって……」




千里にいい感じにいじめられていると、




見たことのない男の子が私の方に近づいてくるのが目に入った。



「あら、城山穂積(しろやまほづみ)ね。」



「城山……穂積?」




「知らないの?私たちの一つ下で、一年生の中で一番カッコいいって言われてる、通称バスケ部の王子様。」



「……へぇ。有名な人なんだね。」




確かにカッコいいし、長身だけど、




りょうくんのほうがカッコいい……とか思う私がいるんだけど。
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