アイドルまっしぐら!!
「良介には幸せになってほしいんだ。」




「自分の幸せを見捨ててまで?」




……俺は何も言い返せなかった。




「言わないとか、言ってどうなるかをあれこれ考えるより、言ってから考えてみたら?」



……そうかな?




「……まぁ、もう少し考えてみなさい。」




「……うん。で?里奈が変っていうのは?」




俺はそう言って、話を元に戻そうとした。




「あぁ、あのね、里奈が最近ずっと昼休みに屋上に一人で行くの。それに、放課後は何か体育館に行くし、それに何より笑顔がいつもと違うような気がして……。」




「笑顔がいつもと違う?」


昼休みや放課後の行動には論理的な理由があったとしても、



笑顔のぎこちなさには、精神的な問題が関係してるはず。



「……何か、最近変わったことなかった?」



「最近……あっ、一週間ぐらい前に一年の城山穂積に告白されたみたい。」




……城山穂積?


あのバスケ部の王子様?




「……城山が絡んでるのは間違いないよ。」




……少なくとも、城山のロクな噂を聞いたことがない。



女たらしとか、裏表が激しいとか、先輩をなめてるとか。
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