アイドルまっしぐら!!

「……えっ？」




俺は、体をゆっくり離して里奈の目を見た。




「……これが17年の間、俺が里奈に隠してたこと。」



「……私、全然気づかなかった。」




「だろうな。普通、ベッドの上で寝てたり、コンサートのどさくさに紛れて手を繋がれたら、気づきそうなもんだけどな。」




俺がそう言うと、里奈は何故か涙を流して笑った。




「……ありがとう。」




「……俺こそ。言えないと思ってたし。勢いで里奈を抱き締めちゃったし。」




「……りょうくんには内緒だね。」



……弱ってる里奈もかわいいとか思っちゃう俺。




……いや、いけない。




「……俺、言ったよ？里奈も言ってくれるよね？」




俺がそう言うと里奈はまた暗い表情になる。