アイドルまっしぐら!!
「どうしたの?光樹。」
俺はその日の夜、良介のマンションを訪れた。
「よかった。良介がいて。」
「うん、今日は夕方で仕事が終わったから。」
電話でもよかったかもしれないけど、良介がそうだったように、
直接言いたいと思った。
「……なぁ、良介。」
「うん、なぁに?」
何も知らない良介は、とっても無垢な笑顔を見せる。
「……俺、里奈のことがずっと好きだった。初恋なんだ。里奈が。」
俺がそう言うと、良介は一瞬驚いたような表情を浮かべたけど、すぐに元の笑顔に戻った。
「知ってたよ?光樹が里奈のこと好きだってことぐらい。」
「……えっ?」
「だって、里奈のこといつでも心配してるし、僕が里奈と出逢ってからもずっと愛しそうに里奈のこと見てたしね。」
……そうだったんだ。
「なのに、僕に里奈のこと紹介してくれて、付き合ったことを祝福してくれた光樹の優しさが嬉しくて、黙ってたんだ。」
……良介は、やっぱり俺の一番の親友だ。
「……そっか。」
俺はそう言って、ようやく緊張がほぐれた。