アイドルまっしぐら!!
「光樹。」
15日の夜、良介から電話があった。
「……昨日は充実した1日になったか?」
「……うん。僕の過去の話もできたし。」
……良介の過去の話か。
俺も聞いたときは、どんな顔していいか分からなかったな。
「……そう。」
「……ねぇ、光樹。」
「うん。何?」
俺がそう言うと、良介はしばらく間をおいた。
「……里奈が、僕とのことを人に聞かれて、脅されてること、もしかして知ってた?」
……里奈。ちゃんと良介に言ったみたいだな。
「……知ってた。」
「……僕に話すように言ってくれたのも、光樹?」
「……あぁ。」
「……そっか。」
良介は、そう言ってふぅと大きめのため息をついた。
「……里奈が僕より先に光樹と話してたのはちょっとショックだけど、光樹のおかげで里奈の苦しみを知ることができたんだ。ありがとう。」
「俺は何もしてないよ。良介なら、里奈を救えるだろうし、それは俺の役目じゃないだろ。」
「……光樹は素敵な人だね!」
「……良介ほどじゃない。」
……良介、嬉しそうにしてるけど、
何か策はあるのかな?