アイドルまっしぐら!!
「……いい天気だなぁ。」



この数週間で、屋上が嫌いな場所になった。




あんなに好きだった場所が、一瞬で。




でも……仕方ないよね。




「早かったですね。先輩。」




「……うん。」




それから程なくして城山くんがやって来た。




「お昼は食べましたか?」



「……ううん。今日は家で食べるつもりだったから。」




「そうですか……じゃあ、早めに終わらせないといけないですね。」




城山くんはそう言って、私に近づいてきた。




「僕にキスしてください。」




「……えっ?」




……何て言ったの?




「しばらく様子を見て何もしなかったけれど、もういいでしょ?それに、キスぐらい愛情が無くてもできます。」




……嫌だ。




キスなんかしたくない。




……でも、しないとりょうくんに迷惑がかかっちゃう。




……私がそう思って、決意を固めようとした時、




下のほうで女の子たちの悲鳴に似た歓声が聞こえた。
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