アイドルまっしぐら!!
「……はぁ、はぁ。……何してるんだよ。人の彼女に。」




その時、愛しい人の声が聞こえた。




「……りょうくん!!」



「離してくれる?」




りょうくんは、普段とは全然違う凄みのある様子で城山くんに迫る。




「……いいのか?全部ばらされても。」



城山くんは怯えながらも、りょうくんに歯向かってる。




「うん。何のためにここに来たと思ってるの?」





私は、城山くんの力が弱まった瞬間に手を振り払って、りょうくんの元へ走り出した。




「りょうくん!!」



「遅くなってごめんね。里奈。何もされてない?」




りょうくんは私を抱き締めながら、優しくそう尋ねてくれる。



「……うん。」




……安心できる。この、温かくて優しい胸。




……大好き。




「……ばらしてやるから。」



……そうだった。まだ、城山くんのことが残ってた。
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