アイドルまっしぐら!!
でも、りょうくんは何も気にしてないみたいに微笑んで、
私と手を繋いで、学校を見下ろせる場所に立った。
「みんな〜!山中良介です!」
もちろん、下にはたくさんのギャラリーが集まってる。
りょうくんの言葉に、たくさんの悲鳴があがり、隣にいる私に疑問の視線が注がれる。
「僕は、中山里奈さんとお付き合いをしてます!大好きな人です!」
……えっ?
何、言ってるの?りょうくん。
「今日はアイドルとしてじゃなくて、1人の男として、大好きな人を守りに来ました!」
……りょうくん。
「アイドルとしての僕は、みんなのものだから、これからもずっとファンでいてね!!」
りょうくんはそう言うと、一礼をして、その場を離れた。
「……いいの?りょうくん。」
「うん。里奈を守るためだよ?里奈にも苦労かけちゃうかもしれないけど……僕にはこれしかできなかったから。」
「……ありがとう。」
りょうくんの愛情が、ひしひしと私の心に響いてくる。
「……というわけで、ばらしたいなら、ばらしてください。」
りょうくんはただただ呆然としている、城山くんに冷たく言った。