アイドルまっしぐら!!
「……僕、両親がいなくてさ。告白してくれる女の子はたくさんいたけど、誰も僕が必要としてる愛情をくれなかった。僕が必要としてる愛情を誰もくれないなら、無理矢理もらおうと思ってたら、たまたま中山先輩があの山中良介と付き合ってるって聞いて……。」
「で、利用しようと?」
「……うん。」
りょうくんは、城山くんにゆっくり近づいていって、その頭を撫でた。
「人に愛情を注げないのに、人が自分に愛情を注いでくれるわけないよ。自分を愛してほしいなら、まず人を愛してあげて。」
りょうくんがそう言うと、城山くんは泣き崩れた。
……りょうくんは、本当に素敵だよ?
私にはもったいないくらい。
「……里奈に謝って。」
「……すいませんでした。」
「……今度は、真っ直ぐな愛情を注いであげてね。」
城山くんは、安心したように笑った。