アイドルまっしぐら!!
城山とかいう子も、僕とよく似た境遇だったけど、


僕は人を傷つけたことはないよ。


彼も、間違いに気づいてくれたみたいだし、里奈も助けてあげられたし……


……どさくさに紛れて、里奈を僕の彼女だって公言できたし。


……良かった。やっぱり僕は間違えてなかった。



「ねぇ、りょうくん。」



「……なぁに?」



全部上手くいったあと、屋上で里奈を背後から抱き締めていた。



「こんなことしちゃって……怒られたりしない?」



「……里奈は嬉しくなかった?」



「……嬉しかったに決まってるよ?」




「じゃあ、それでいいじゃん!」



「……ありがとう。」



……里奈はそう言って、僕のほうを振り向いた。




「……ホワイトデーの時、りょうくんが言ったことがよく分かるよ。」




「えっ……何……」




次の瞬間には、僕の唇に里奈の唇が重なっていた。


すごく短かったけど、里奈の愛情が伝わってきた。



「……キスしたいなんて思わないと思ってた。」



里奈は、頬を染めながらそんなことを言っている。
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