アイドルまっしぐら!!
「里奈は、良介に愛されてるな。」



光樹はさっきとは打って変わって静かな帰り道で、私に言う。



「……うん。」


それはすごく伝わってきたよ。



「……でも、これから少し大変かもな。」




「……大変?」




「あぁ。多分、今日のことは広まるだろうし、色んな反応を世間から受ける。……でも、祝福してくれる人は少ないんじゃないかな?」



光樹は私の様子を見ながら、話を続ける。




「良介は元々批評を受ける立場だし、『Cute Boys』のメンバーとか事務所みたいに守ってくれる人がいる。でも……里奈はそういうわけにはいかないだろ。」



……確かにそうかもね。



「……今の良介は、『Cute Boys』と里奈のどちらかを選べって言われたら、間違いなく里奈を選ぶと思うよ。でも、それは良介だけの一存で決められることじゃない。それがアイドルの恋愛だと思う。」




「……うん。」



私は、光樹の言葉を胸の中で繰り返していた。
< 220 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop