夜と私と秘密の王子様
ガチャンという音がして、優馬が帰って来た。



何も言わず隣に座った。



「ゴメンな。」



「…。」




目頭に涙が溜まる。




ギュッ…




「本当ゴメン。」



優馬は謝罪しかしなかった。





“ゴメンね”。私は優馬みたいに強くないよ。



だから、今は君の胸で泣かせて。








「綺羅さん、山田様から氏名がありました。」



分かんないから見よう見まねだよ。



ペコッとお辞儀した。
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