夜と私と秘密の王子様
「何頼むー??」



「トースト!」


出来るだけ笑顔で言ってみる。


でも、目は笑ってないと思う。



「なんか、今日キモいぞ。」



「失礼な!ちょっと、化粧してくる!」




トイレの鏡の前まで来ると自然にため息が出た。


腕に刃物を入れたのは初めてじゃない。




でも、前より何倍も痛いような気がした。



薄く化粧をして、優馬のいるテーブルに行くとトーストはもう置いてあった。
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