らっく!!
第一章
新しい世界
その日はとても晴れていた。
こんな時じゃなかったらなんて気持ちのよい日だったんだろうか?
真っ白い壁と天井。
ベッドに横たわっているのが最愛の母という状況は認めたくない現実としてすぐさま私に襲い掛かってきた。
「み…つる…あり…がとう…」
握っていた手から力が抜けた。
「いやぁ…お願いだからおいていかないでぇーーー!!」
私は青白いお母さんの顔を見ながら叫んだ。
まだ寒さを感じさせる風が吹く3月。
大好きなお母さんがこの世を去った――…。
佐崎美弦 15歳。
今日から私は独りで生きていくことになった。