らっく!!
「美弦さん迷いませんでしたか?」
「あっ…相楽さん…」
扉の先にいたのはニッコリ笑った相楽さんだった―…。
「大丈夫です。真っ直ぐ来れました。」
漸く見知った顔に会え少し安心した。
「そうですか。社長ならもう直ぐ来ますから…」
「はい…」
私の緊張はピークに達していた。
「緊張しなくても大丈夫ですよ」
相楽さんは緊張をほぐそうとしてくれたが逆効果だった。
そんな事言われたって!!
私はソファーに座りなおし、冷たくなってしまった紅茶をすすった。
あれこれ想像を膨らましながら待ち続ける。
その時間は楽しくもあり、くすぐったい気持ちにもなった。
社長さんが来たのはそれから20分くらいのことだった。