らっく!!
「高屋先輩はうちの学校でも5本の指にはいる金持ちの上にあのルックス!!お近づきになりたい人No.1だよ!?平凡でお人好しの美弦には勿体無いくらいなんだからねっ!!」
聞いてんの?っと鏡越しに片眉を上げる。
私だってわかってますよー!!
怒りながらも凪ちゃんの手つきは鮮やかだった。
あっという間に髪の毛が巻かれた。
「先輩を振り向かせたいなら努力を惜しむな!!いつでも最高の自分を見せるの!!先輩のこと、好きなんでしょ?」
「うん。がんばるっ!!」
凪ちゃん直々のメイクが施された顔で頷く。
「おっ!?やっと認めたか…」
やれやれっといった表情の凪ちゃん。
「まったく…気づくのが遅いよっ!!こっちはずーっとイライラしてたんだからしっかりやってきなさいよ?」
バシッと叩かれた背中。
凪ちゃんからしっかりパワーを入れてもらった私は元気にこう答えた。
「行ってきます!!」
私は凪ちゃんに手を振り待ち合わせ場所に向かった。