らっく!!
第四章
新たな幕開け
長いようで短かった夏休みも終わり、今日から新学期が始まった。
朝から何千人という数の人間がホールに集まる。
恒例の始業式は大抵の生徒にとって憂鬱なものだろう。
私も例外ではなかった。
疲れた…。
私はひとり、廊下を歩いていた。
昔から人が大勢いるところは苦手で直ぐに気分が悪くなってしまう。
ましてやまだ暑さの残る9月。
空調が効いているといえども、体に感じる不快感は拭えない。
ふらつく体を無理やり奮い立たせ保健室のドアを開ける。
ちょうど仕切り代わりのカーテンを開けている人と目が合った。
「美弦…?」
「えっ!?愁…?」
愁はベッドのそばから私を見ていた。
突然のことに驚いてドアの前に突っ立っている私に愁は直ぐに駆け寄ってきた。