らっく!!

美弦の規則正しい寝息が聞こえてくる。


そっと人差し指で頬をなぞる。


「ん…」


小さく反応する美弦に知らず知らず俺の頬も緩む。


どうして無防備な寝顔はこんなに可愛いんだろう?


襲われても知らないからな?


…って襲うのはもちろん俺だけど。






あの時。


美弦に「すき」と言われた時―…。


俺の中で何かが弾けたように溢れ出た。


ああ…。


好きっていう気持ちはこういうものなんだ―…。


俺の頭はそれをすんなりと受け入れてしまった。




焦って取り繕う姿も、

戸惑って震える声も、

照れて赤く染まった頬も、


何もかもが可愛くて、愛おしくて―…。



……気がついたら美弦を抱きしめていた。

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