らっく!!
誰にも…
誰にも奪われたくないと思った―…。
失くしたものが多かった生活で初めて、
…失いたくないと思った。
俺が人を信じられなくなったのはいつの頃だったろうか?
周りの人間は金目当てで寄ってくる。
その度に冷たく切り返しきた。
正直、うんざりしていた。
だからかもしれない、美弦に惹かれたのは…。
屈託なく笑う美弦は他の奴らとは全く違っていた。
自分の生い立ちを知って、それでも笑っている―…。
美弦には俺みたいになって欲しくない…。
だから…
「守るよ…」
守ってみせる―…。
俺は眠っている美弦の額にそっと口付けた―…。