らっく!!
どうやって教室に戻ったのか覚えてない。
気がつくと授業が始まっていた。
授業なんか耳にはいるわけない。
「美弦?どうしたの?ボーっとしすぎだよ!!」
凪ちゃんは私の様子を察して小声で話しかけてきた。
「なんでもない…」
私は爪が食い込むくらい拳を握り締めた。
迷惑かけちゃだめだ…。
「そんな青白い顔して何でもないわけないでしょ!?」
そういうと同時に凪ちゃんが立ち上がった。
「先生、佐崎さんが具合が悪そうなので保健室に連れて行きます」
授業中にもかかわらず凛とした凪ちゃんの声は教室に響いた。
「行きましょ」
先生の返事も待たず凪ちゃんは私を教室から連れ出した。
連れて行かれた先は保健室ではなく先ほどまで私がいた屋上だった。