らっく!!
「何があったの?」
私を労わるように優しく聞かれる。
「なんでもないよ?」
わざと明るく振る舞っても凪ちゃんはそれを鋭く見抜く。
「嘘っ!!顔に何かありましたって書いてある!!」
昨日といい私って顔に出やすいのかな…。
この時ばかりは自分が嫌になる。
「ホントになんでもないから…」
「じゃあ質問を変えるわ」
凪ちゃんは息を吸った。
「さっきあんたがいない間にクラスの子に、「佐崎さんには関わらない方がいい」って言われた。何か関係ある?」
私の表情が変わったのを凪ちゃんは見逃さなかった。
「やっぱり…。何で言わないのよ…」
沈黙を守り続ける私に凪ちゃんは呆れながら口を開く。
「美弦は私のこと、信用してないの?」
「ちっ違うよ!!ただ…」
「ただ…?」
「迷惑かけちゃだめだから…」
私の小さい声は凪ちゃんの怒声にかき消された。