らっく!!


「一発殴っていい?」


「は…?」


あんたの間抜け面をいっそのこと土に土に還してやりたい。


それくらい私は怒っていた。


「高屋先輩、今更気づいても遅いんですよっ!!」


誰も居ない中庭で私は叫んだ。


遅いんだよ、この間抜けっ!!


そしていまいち訳の分かって無い高屋先輩に決定的な一言を浴びせた。


「嫌がらせ…全部澤村文音の仕業よ…」


「あいつかっ…」


高屋先輩の目の色が変わった。


いい反応…。


どうやら敵と認識されているらしい。


こっちにとっては好都合だけど。


「いつからだ?」


漸く状況が認識できた高屋先輩はすかさず尋ねる。


「始業式の次の日から毎日」


飽きもせずにね。


「くそっ!!何でもっと早くっ…」


心底悔しそうなに唇を噛む。


「紘一さんに聞いたんですか?」


そう考えると辻褄が合う。


昨日紘一さんに知られたって言ってたし。


私に口止めするくらいだから美弦は自分からは絶対に言わないだろう。

< 156 / 390 >

この作品をシェア

pagetop